MAZDA CX-5 6MT オーナーレビュー

  • 2023年5月23日
  • 2023年6月20日
  • 2007view

CX-5 6MTの魅力
今の愛車はマツダのCX-5 XD PROACTIVE 4WD 6MTです。ずっとスバルのフォレスターを乗り継いできましたが、マニュアル車がなくなってしまったので、思い切ってマツダに乗り換えました。日本では売れないとわかっていながら拘りを持ってディーゼル車やマニュアル車を出してくるマツダの姿勢に惚れたのです。
マツダ車は初めてでしたが、「こんなにも走りが素晴らしかったんだ!」と、新鮮な驚きでした。

今回はCX-5の6MTに約4年間乗った感想を正直に書きたいと思います。購入を検討されている方は参考にしてください。

まず皆さんが気になるのは「実燃費」だと思います。ディーゼルの6MTなので、一般道で18.2~18.8km、高速で19.5~20.8kmです。80キロ平均のソフトな走りをすると高速で22~23kmに跳ね上がりますが、加速したり、追い越したりすると20kmに落ちます。CX-5は燃費がいいので、満タンの状態で930kmほど走ります。いま軽油はリッター138円くらいです。スタンドで40リッター入れるとして、満タンで約5,500円です。

ディーゼルは、マニュアルと相性がいいのです。トルクがあるので、どのギアでも気持ちのいい加速感が味わえます。トラックのような、アクセルを踏んだ時のかったるい遅れは一切なし。全ギアは、踏んだ瞬間にGを感じるようなパワーを発揮します。車重1.5トンがフワッと軽く感じる。
通常、高速での追い越し時は5速に落としますが、CX-5は6速の状態でグングン追い越しが可能です。つまり、6速の状態で高速を走って行けるので、オートマ車より疲れないのです。

ギアはこぎみよく動きます。日本車のマニュアル車は、重くてズリズリという感じですが、マツダの6MTは、ヨーロッパ車のようにカクッカクッと入るので実に気持ちがいいです。極端な話、3→4→5→6は滑るような感じで人差し指一本で操作できる。感動しますよ。

次に音。これ本当にディーゼルなのか? と疑いたくなるほど、エンジン音は静かです。静粛性能がしっかりしているため、車内で普通に会話ができます。
以前ガソリンスタンドで、「これ、軽油なので入れる時に注意してください」と店員に言ったら、「はい、音でわかりますよ」と言われました。なるほど、ディーゼル特有の音がしているんだ、とそこではじめて音を意識したのです。それほど、室内のドライバーは音について忘れている。

僕の場合、7割が高速道路走行です。きっとDPF再生は喜んでいるでしょう。一般道をちょこちょこ走る人は、クリーンディーゼル車は適さないと思います。なぜならDPF再生が出来ないから。街で暮らしていてチョイ乗りメインの方はガソリン車を選んだ方がいいと思います。

以前、小さな村の撮影でチョイノリを繰り返していたとき、アイドリングストップからの始動時に、エンジンがかからなくなるという不具合が発生しました。道は大渋滞。警察に電話しようかと焦っていたら、10分後、唸り声を上げながらエンジンが始動しました。

その後、近くのマツダに駆け込み、メカニックに診てもらいます。すると、「ススの噛み込みによる不具合」とのことでした。その場で最新のプログラムに更新。若干アイドリング時のエンジン回転が上がりました。その後、不具合は発生していませんが、チョイノリ時はエンジンを極力切らないように注意しています。

ちなみに、DPF再生がいつ行われているかは、今まで一度も気づいたことがありません。もちろん表示も出ない。それほど自然に行われています。

初めての不具合に関してはこちら
https://youtu.be/-qbl-yiq9ic

タイヤは17インチで正解だった
CX-5購入時にまず悩むのがタイヤサイズです。CX-5の標準は19インチですが、17インチも選べます。
僕は迷うことなく、17インチにしました。当然、17インチの方が縦に空気が入っているぶん、高速での乗り心地はよくなります。(19インチは足回りが硬くなる)あと燃費も向上するでしょう。そして何より、タイヤ交換の費用が安いです。

5万kmを越えた時点で、夏タイヤの交換を行いました。約10万円の出費です。スタッドレスは、車の購入時に手に入れました。実質使うのは12月〜3月なので、まだ十分な溝があります。ちなみにスタッドレスは、17インチだと16~18万くらいで購入できます。仮に19インチのスタッドレスにすると、とんでもない金額になります。

19インチは、お金に余裕がある方、山道のカーブをガンガン攻めて走りを楽しみたい方向けですね。通常は17インチで十分だと思います。当然車高に変化はありません。見た目に関しても、17インチと19インチの違いに気づく人はまずいないでしょう。まあ、アルミホイールを見ればわかりますが。個人的には、17インチのアルミホイールのデザインの方が好きです。19インチのアルミすり出しの蝶のようなデザインは苦手です。

問題は1840cmという車幅
4年乗ってみて、いまだに違和感を覚えるのが車幅です。
CX-5の車幅は何と1840mm! これはアルファードやクラウンなどの大型車と一緒です。東京で借りている立体駐車場のパレットが1900mmなので、左右たったの3cmしか空きがありません。そのため、車庫入れはかなり大変です。ホームセンターやショッピングモールに行った時も、バックでの車庫入れは神経を使います。

ちなみにフォレスターの車幅は1795mm。車庫入れが超簡単でした。最も運転しやすいのはハイエースの車幅1695mmだと言われています。
CX-5の車幅は広すぎる。大きな車の運転に慣れていない人は、細い道やバックでの運転が大変になってくるでしょう。

あと、マツダ車全般に言えることですが、デザイン優先でいっているので、後方視界が極めて悪いです。特に斜め後ろが見えにくい。MAZDA 3は特にダメ。
後方視界が犠牲になるぶん、カメラやセンサーでしっかりカバーしている、とマツダは言いますが、あまりに前後左右の視界がいいフォレスターから乗り換えると、う~んCX-5は斜め後が見づらいなあ~となります。
高速のサービスエリアは、斜めに車を停めますよね。車を出すとき、左後ろが全く見えないのです。

僕は見送りましたが、お金に余裕のある方は、360度アラウンドビューモニターをつけた方がいいでしょう。唯一後悔している点はこれです。無理してでもつければよかったです。

もちろんバックモニターは付けました。これは、絶対につけなければダメです。MUSTです。これがないと、駐車場でのバッグは100%無理、と言っても過言ではないでしょう。CX-5はお尻がポコンと出っ張っているので、モニターなしではバックの視界が掴めないのです。バックモニターだけはどんなことをしても付けてください。これをつけないと激しく後悔します。

自動追従運転について
車線の逸脱警報システム。これは極めて優秀です。高速走行中、眠くなるときがある。そんな時、白線に近づくときちんと車の向きを修正してくれる。僕は海外で色々な種類のレンタカーに乗ってきましたが、マツダの「ほどよい感じ」の自動制御が一番好きです。
カーブが連続する山道を走っているときも、ハンドルアシストはすごくいいです。誰かがアシストしてくれているという安心感があります。

オートクルーズや自動追従運転もついていますが、あまり使うことはありません。やはり6MTの場合、運転を楽しみたいので。というか、6速の状態での高速走行が実に快適なのです。オートクルーズの必要性を全く感じないのです。

マツダの
オートクルーズや自動追従運転は極めて優秀です。高速の走行車線を走っているとき、時々割り込みがありますよね。他の車だったら、カックンとなるのですが、マツダは、実際に人がブレーキを踏んでいるように緩やかにスピードが落ちます。最初、「おっ、マツダのチューニングは凄いなあ〜」と思った。

アイドリングストップは必要?
これはどの車でも言えることですが、アイドリングストップの機能はいらないですね。ヨーロッパ車からはじまった流れですが、これほど無駄なものはない、といつも思っています。エンジンのON、OFFを繰り返すと故障の原因になるし、専用バッテリーの交換費用も高額です。

ちなみに僕は、アイドリングストップ機能は常にOFFにして街中を走っています。
マニュアル車の場合、信号での停車時、ニュートラルにしてクラッチを戻すとエンジンがストップします。信号が青になりクラッチを踏むとエンジンが始動するのですが、アイドリングストップが作動したけど急に信号が青になり咄嗟に走らなければいけないときがありますよね。そんなとき、車はエンジンを掛けるタイミングを逃すのです。時々、あれっ?と思うことがある。そんなときは落ち着いてクラッチを踏み直すとエンジンが始動するのですが、正直、焦ってしまいます。この現象、僕は勝手に「CX-5 6MTあるある」と呼んでいます。

ラゲッジスペースについて
荷物は大量に積み込めます。CX-5はフロントノーズが長く、後部のラゲッジスペースが狭いつくりです。でも車幅があるので、何となくフォレスターよりも広く感じるのです。いつも大量の荷物とともに旅に出掛けますが、積み込み時にストレスは全く感じませんでした。

車中泊も十分可能です。YouTubeに動画をアップしていますので、ご覧下さい。(車中泊に関しては、別で詳しく書きます)
https://youtu.be/tJ3kBAbiWjg

ナビについて
マツダコネクトのナビは、それなりに満足しています。ルート案内もかなりスマートです。でも使いづらい点が一つあります。それは高速と一般道の切り替えがすぐに出来ないこと。

例えば高速を走っていて、通常のルートよりいくつか手前で高速を下りたとき、他社のナビならボタン一つで「高速→一般道」の設定変更ができます。しかしマツダのナビは、その切り替えボタンが6層くらい奧にあるのです。だから一般道を走っているとき、高速に戻そう戻そうとするナビの音声がうるさくて仕方ありません。わざわざコンビニの駐車場に停車して設定変更をしている。

高速と一般道の切り替えは、一発で呼び出せるようにしてもらいたいです。あと、ナビ画面の時に、曲名が出ない。これもマイナス。
いずれにしても、マツコネは、ユーザー目線で開発はされていないです。例えばデンソーのイクリプスのように高速の路線図を出すとか、もっとマツダならではの拘りがあってもいいのにな、と思います。

AppleCarPlayとAndroidAutoは即座に連携できます。ちなみに僕はAndroidです。最初の頃、AndroidAutoを好んで使っていましたが、Googleマップのナビは高速のサービスエリアの情報が出ないので、今はあまり使っていません。ナビは、マツコネの方が何倍もいいです。

以前使っていたiPhone 4を有線で繋ぎっぱなしにし、Apple Musicに入っている音楽を楽しんでいます。スピーカーはノーマルですが、音はいいですよ。

赤を際立たせるにはマメな洗車を
ボディーカラーは赤(ソウルレッド)にしました。マツダ車の赤はとても美しいです。見ていて惚れ惚れします。赤はプラス7.7万円でしたが、何の迷いもなく赤を選びました。

ただ赤のような濃い色は、擦り傷が目立ちますね。1年、2年と乗っていると、車のボディには知らぬ間に傷がついていきます。特に僕の場合、細い田舎道や山道をよく走ります。ボディ側面は、道の両脇の潅木や草に擦られ、いつしかたくさんの傷がついている。浅い傷ならコンパウンドですぐに消えますが、深い傷は消えない。マツダ車の場合、深い傷は「白いキズ」となって現れます。よってキズが気になる人は、白いボディカラーを選ぶといいでしょう。

どの車も同じだと思いますが、マツダの赤も、ボディをほんの少し擦っただけで、すぐに「白いキズ」が現れます。カタログには、何層も塗り込まれているというイラストが描かれています。それを見ると塗装はかなり厚いんだ、という印象を受けますが、これはあくまで何ミクロンの話です。

どんな車でもそうですが、マメに洗車をしないと、ボディは汚れていきます。マツダの赤は、うっすら汚れている状態だと、それほど派手さはありません。どこにでも走っている普通の赤い車です。ソウルレッドがまったく目立ちません。赤を際立たせたい人は、マメに洗車をした方がいいでしょう。

洗車は月一のペースです。スタンドの洗車機に入れています。でも車幅があるので、洗車機に入れるときは大変ですよ。洗車のとき、機械がぶつからないかと、いつもヒヤヒヤしています。ちなみに、ドアミラーをしまい忘れると、洗車機のサイドがぶつかります。

マツダに期待することは、赤に変わる代表色です。
そう、今のマツダには、赤しか象徴的な色がありません。数年前、ジルコンサンドメタリックという特徴的な色が出ましたが、僕はときめきませんでした。メルセデスやボルボをはじめとするヨーロッパ車にあるような、ブルーやグリーンを基調とした中間色を出してもらいたい。いずれにせよ、多くの日本人がマツダの「赤」に少し飽きがきているのも事実です。僕自身も次は赤を選ばないと思う。

ヘッドライトについて
マツダのアダプティブLEDヘッドライトは極めて優秀です。フロントガラスに設置しカメラで、対向車の「ヘッドランプ」や先行車の「テールランプ」を検知し、その部分含むブロックのLEDを消灯して照射範囲をコントールしてくれるのです。よって、夜道はずっとハイビームのまま走行していくことが可能です。

購入時、フォグランプはつけませんでした。MAZDA 3やCX-30からもおわかりいただけるように、マツダはフォグランプを撤廃する方向で動いています。ただ日本人はフォグランプが好きな人が多いので、CX-5にも小さなランプをチョコンと取り付けできるようになっている。実際見たら、「ああ、これだったらいらない」と思いました。

雪道での走行性能
近年のマツダ車の走りは極めて上質です。路面に吸い付くような走りは、ヨーロッパ車を彷彿とさせます。CX-5も、走りはフォレスターより優れていました。スバリストとしては少し悔しかった……。

もちろん、雪道での4WD走行性能は、フォレスターの方が上です。しかしCX-5にも、2019年末のマイナーチェンジで、オフロードトラクションアシストがつきました。これでフォレスターと肩を並べることができるようになった。雪国に行くことが多いので、この機能がついた今のCX-5、少し羨ましいです。

性能のいいスタッドレスを履いていれば、雪道はガンガン走れます。雪道を走る度に、やはりマニュアル車にしてよかったと心の底から思います。どのギアでもエンジンブレーキが効くので、減速時は滑りにくいのです。雪に埋もれた山道もグングン登っていく。CX-5の4WDは、通常はFFで走行しており、雨や雪など路面の状態が悪いときだけ自動で4WDに切り替わる方式です。つまり雪道の走行時はずっと4WDの状態です。

ギアは3~4速で走ることが多くなるので、当然燃費が悪くなります。東北を1週間巡ったときの平均燃費は16.5kmでした。それでも他の4WD車よりは燃費がいい。ディーゼルはとにかく凄いのです。雪道の走行に関しては、この動画をご覧下さい。基本、僕は雪道でも夏と全く同じスピードで走ります。20代の頃はカナダに滞在していました。
https://youtu.be/93oC6-bSs_g

いずれにしても、寒冷地に行くときは、現地で寒冷地仕様の軽油を入れるようにしてください。東京や大阪のスタンドで入れた軽油のまま東北や北海道、もしくはスキー場へ行くと、氷点下の早朝、軽油は凍って車が故障します。僕はいつも北国に着いたときに燃料が空になるようにし、そして北国のガソリンスタンドで軽油を満タンにしています。長距離を走るトラックのドライバーなら誰もがやっていること。基本中の基本です。

これからもマニュアル車を乗り継いでいきたい
マツダCX-5にしてよかったです。5年後か7年後、また乗り換えると思いますが、今の段階では、次もマツダかな、と考えています。

ヨーロッパ車も憧れますが、日本でハイオク車に乗るのはやはり抵抗があります。仮にディーゼル車を選んだとしても、日本に輸出するのはオートマチック車ばかりなので全く魅力を感じません。プジョーもボルボもBMWもフィアットも、マニュアル車の方が運転が面白いのに、何で日本では出さないのだろう。そして自動車評論家は、何故ヨーロッパ車のオートマ車が好きなのだろう。全く理解できません。

6MT限定で車選びをしていたとき、ルノーのカングー6MTも候補にあがりました。しかし、ご存じのようにカングーはハイオクです。よって却下。スズキのスイフトスポーツ6MTも、テストドライブまでいきましたが、ハイオクだったので却下です。僕の場合、5年で10万キロは走るのです。ハイオク車になんか乗ったら、とんでもないことになってしまうのです。庶民のスポーツカー、スイフトスポーツは、絶対にレギュラー仕様で出すべきです。
そう、どう考えても、最終的にはマツダになっていきました。

マツダにして正解でした。ディーゼル×6MTの走りは、とても美しいです。CMコピーの「美しく走る」の美しさは、デザインではなく走りの「美しさ」にあることを知りました。
そして当然ですが、もし仮にマツダがディーゼルと6MTの製造をやめてしまったら、マツダ車には乗らないと思います。今後電動化の流れは避けられないと思いますが、駆動には6MTを採用してください。

以上、長々と書いてきましたが、ディーゼル×6MTは、もう最高です。運転が楽しくて仕方ありません。何で多くの日本人はマニュアル車を選ばないんだろう。不思議ですね。

YouTubeの関連動画
https://youtu.be/PytRpUSzmGM
https://youtu.be/Z2qJ3UC6XBs

最新情報をチェックしよう!