難しいスナップ写真
写真にはさまざまな撮影ジャンルがあります。中でも特に作品を生み出すのが難しいとされているのが、人をテーマにしたスナップ写真です。
たとえば道の向こうから、素朴でいい感じのお爺さんが歩いて来たとします。擦れ違いざま、カメラを構えて写真を撮ってみてください。おそらくお爺さんは驚き、何らかの拒否反応を示すでしょう。気性の荒い人だったら、「何で勝手に写真を撮るんだ!」と怒り出すかもしれない。また、この大胆不敵な撮影スタイルが防犯カメラによって記録され、その映像がネットで拡散したとしたら、撮影者には批判が殺到することでしょう。そう今の時代、あまりに自分勝手な撮影行為は許されないのです。
「写真は撮ったものが勝ち」と言われていた時代もありました。私は上京したての頃、四谷にある夜間の写真学校に2ヶ月ほど在籍しましたが、そこはドキュメンタリー写真を突き詰めていくようなカリキュラムが組まれており、野外での撮影実習がよく行われていました。
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