白い風景
長野県松本市生まれだというと、多くの人から決まって「北アルプスの山並みに抱かれた美しい街ですね」という言葉が返ってきます。しかし、私のような松本で生まれ育った人にしてみれば、北アルプスをそれほど意識するようなことはありません。特に子供の頃は、西側に標高3000m級の山並みが連なることなどまったく気にもとめなかったし、大人になってからも、県外の人に指摘されて初めて山に視線を投げる程度でした。
こんな私でも、北アルプスを見て「あっ」と驚くことがあります。それは山が初冠雪を抱いて真っ白になったときです。
低気圧が過ぎ去った後、真っ青な世界に突然現れた真っ白い山の連なりを目にすると、「ああ、何て美しいんだろう……」と深く感動してため息を漏らします。コンビニやホームセンターの駐車場で、つい立ち止まって雪山に見入ってしまうこともよくあります。
冬の季節になると途端に存在感を増しはじめる北アルプスの山々。地元で生まれ育った私でさえも「美しい」と唸らせるその魅力は、やはり雪の白さに原因があるような気がしています。
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