【連載・写真のひみつ】第27回 雨の魅力

よく降る雨
旅先では、晴れ、曇り、雨が交互にやってきます。雨の日は自然とモチベーションが下がりますが、写真を撮らないわけではありません。たとえば3日、5日と最初から滞在日数が決められている依頼仕事では、たとえ大雨であっても通常通りに取材を行っています。

作品作りのために行う海外・国内取材は、いつも2週間ほど現地に滞在します。期間中、ずっと雨だったことが何度かありました。

リンゴの里、アナポリスヴァレーをテーマにしていた時です。春の新緑を撮ろうと現地に入ったのですが、東部カナダ一帯に低気圧が停滞しており、毎日シトシト雨が降っていました。定宿としていた安モーテルの部屋で逐一テレビのウェザーチャンエルをチェックしていましたが、傘マークが消えることはありません。最初は、まあ仕方ないな……と構えていましたが、5日目頃からイライラがはじまり、1週間を過ぎると、フライトスケジュールを変更して別の地に移動することばかりを考えていました。

結果、14日間一度も晴れることはなく帰国日を迎えたのです。いつもは十分な満足感とともに帰国便に乗るのですが、このときばかりは、複雑な気持ちだったのを思い出します。

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