なぜクロームブックを選んだのか
現在私は、Macのノートを2台所有しています。一つはMacBook Pro 17インチ。これはもはやデスクトップPCに近い存在で、外出先で画像処理や動画編集を行う際に使用しています。ただし、重量がかなりあるため、日常的に持ち歩いてサッと広げて原稿を書く、という用途には不向きです。もちろん、海外に持って行くのも現実的ではありません。
もう一つは、MacBook Pro 14インチ。これは旅先での原稿執筆用に長年使ってきましたが、購入から10年以上が経ち、バッテリーがすっかり劣化してしまいました。今では1時間も持たず、外出先で使うにはAC電源が不可欠です。
〈もっと気軽に持ち歩けて、どこでも原稿が書ける軽快なマシンが欲しいな──〉
そう思っていたとき、ふと頭に浮かんだのがクロームブックでした。
クロームブックとは何か
クロームブック(Chromebook)は、Googleが開発した「Chrome OS」という軽量な独自OSを搭載したノートパソコンです。WindowsやMacのような従来のPCとは異なり、「Google Chrome」というブラウザを中心に作業を行う設計になっており、基本的にはネット接続が前提となっています。
とはいえ、事前に設定しておけば、ネット環境がない場所でもファイルの編集や保存が可能です。Google ドキュメントやスプレッドシートに加え、Microsoft WordやExcelもアプリ版がオフライン対応しており、OneDriveとの連携もスムーズです。さらに、Google Playストアを通じてAndroidアプリを導入すれば、スマートフォンのような使い方もでき、用途が広がります。
https://www.google.co.jp/intl/ja_jp/chromebook/
クロームブックを選ぶ理由
私がクロームブックに惹かれた最大の理由は、「軽さ」「起動の速さ」「低価格」の3点でした。OSが非常に軽量に作られているため、電源を入れてからわずか数秒で立ち上がります。喫茶店で空き時間にさっとPCを取り出して原稿を書く、といった使い方ができる、まさに究極のPCです。
また、ファイルは基本的にクラウドに保存されるため、万が一端末が壊れても原稿データが失われにくく、別のデバイスへの移行もスムーズです。さらに、ウイルスに強いという点も安心感があります。
こうした手軽さと信頼性から、近年では教育現場での導入も急速に進んでいます。日本の小中学校では「GIGAスクール構想」(児童生徒に1人1台の端末と高速ネット環境を整備する教育改革)の一環として、多くのクロームブックが配布され、学習用ツールとして活用されているのです。
もちろん、動画編集や重たいソフトを使った作業には向きません。しかし、文章作成、メールチェック、ウェブ閲覧、オンライン会議といった日常的な用途には、十分すぎるほどの性能を備えています。
クロームブック選び。自分に合った1台を
大型量販店では、Windowsパソコンの売り場の横に必ずクロームブックコーナーがあり、現行モデルが並んでいます。教育用途で一定の需要があるからでしょうか、ネット通販専売の機種も多く見かけます。

ラインナップを確認してみると、クロームブックにはおおまかに分けて「2〜4万円」「6〜9万円」「10〜14万円台」と、3つの価格帯があることがわかります。特に人気があるのは6〜7万円台の機種。10万円を超える機種には「クロームブック・プラス」と呼ばれる高性能モデルがあり、Geminiなどの生成AI機能が搭載されています。
ただし、Geminiはブラウザ上でも利用できるため、私の用途(原稿執筆)に必要かどうかは疑問でした。
今回は、高性能モデルは候補から外しました。また、画面が360度回転してタブレットのように使える「2 in 1」タイプや、キーボードを取り外せる脱着式のタブレット型モデルも選びませんでした。すでにアンドロイドとアップルのタブレットは所持しており、私自身イラストを描くような用途もないため、こうした機能は必要なかったのです。
そこで、予算を4〜5万円に設定し、量販店で実機を触ったり、ネット通販でレビューを読み込んだりして、最終的に候補を3機種に絞りました。
「HP」、「Lenovo」、そして「富士通」のクロームブックです。
最終的に選んだ1台
まず気になったのが、アマゾン限定のLenovo Chromebook IdeaPad Flex 3i Gen8(12.2インチ)です。
価格はおよそ3.5万円(セール時には3.2万円まで下がることも)。サイズ感もちょうどよく、12インチの液晶は大きすぎず小さすぎず。洗練されたデザインも魅力的で、Amazonでは月に1000台以上売れている大ヒット商品です。
ただ、ソフマップに出ていた中古実機を見たところ、キーボードが、フルサイズ(19mm)ではなく、やや小ぶり(18mm〜18.5mm)に感じられた点が少々気になりました。
次に検討したのが、富士通のFMV Chromebook 11Kです。
フルサイズキーボードを搭載し、「日本製」という安心感もあります。実機に触れることはできなかったものの、公式サイトやレビューを繰り返し読み、スペックを徹底的に調べました。
ただ、デザイン面で少し引っかかりを覚えました。液晶のベゼル(縁)が太めで、全体的に古めかしい印象があったからです。日本メーカーのPCによくある、やや野暮ったいデザインがどうしても好きになれませんでした。
そして最終的に私が選んだのが、HPのChromebook 14aです。
価格は5.4万円とやや予算をオーバーしましたが、フルサイズキーボードの安心感、美しいIPS液晶が決め手になりました。(hp社に確認したところ、キーピッチは19.0mm×18.4mm、キーの数は81キー、ストロークは1.3mmとのことでした)
同じ価格帯のASUS製やacer製のモデルと比べても、液晶の映り方にははっきりとした差があります。もともとは7万円台の機種でしたが、ヨドバシカメラやビックカメラで2万円ほど値引きされていたタイミングで購入できたため、非常にお得感がありました。(Amazonでは4.9万円まで下がっていますが、N200はずっと在庫切れが続いています。N100は手に入ります)
今後、Noteでは、クロームブックの活用法や操作の工夫などを発信していく予定です。日々執筆を行っている方にとって、クロームブックがどれほど頼れる存在かを正直に書いていきます。どうぞご期待ください!
