突然、ポータブルSSDが故障しました。大切なデータが入っていたので一瞬パニックになります。すぐに気を取り直し、データ復旧を行っている会社に連絡、全データを救出してもらうことができました。今回は「記録媒体が故障する」という誰にでもいつかは起こりえる災難について書いていこうと思います。
SSDは壊れないと思っていた
愛用していたポータブルSSD(500GB)は、8年前に手に入れたものです。軽くてコンパクト、外部からの衝撃に強く、大容量ファイルの書き込みが早いので、パソコン間のデータのやり取りで毎日のように使い、また国内の旅では必ずこのSSDを持って行くようにしていました。
SSDの中には、主に講演会のときに使うMacのキーノート(Windowsで言うパワーポイント)のデータが入っていました。過去15年分の全データです。
慎重派の私は、どんなデータでも必ずバックアップを取るようにしています。国内外で生み出した写真は、3.5インチのハードディスク3台に分けて保存し、それぞれ置き場所も変えています。でも何故か、このキーノートのデータだけはバックアップを取っていませんでした。「SSDは滅多に故障しない」という思い込みがあったからです。
ある朝、SSDをパソコンに接続したら、何故か認識されません。別の2台のパソコンで試してみても同じ。端子の不良かと思い、何度かケーブルの抜き差しを繰り返していたら、接続口がベキッと割れてしまいました。つまりSSD本体も故障です。
〈ああ、講演会のデータがすべて失われてしまった……〉
SSDが逝ってしまうなんてまさに晴天の霹靂。焦り、どっと汗が出てきました。
もちろん、講演の依頼が入るたびにキーノートは新規で作成しています。しかし、過去のデータを使うこともよくあるのです。例えば「カナダ、ローレンシャンの秋」や「ヨーロッパの最も美しい村」は、旅行会社や自治体からよく講演の依頼があるので、既存のデータを手直しして使っています。
「仕方がない。また一から作り直せばいいや」と開き直りましたが、今後、膨大な時間が掛かることを考えると、だんだんと気が重くなっていきました。
データを復旧する
ふと、故障したハードディスクやSSD、SDカードからデータを修復するサービスがあることを思い出しました。すぐにネットで検索してみます。すると、出てくるは出てくるは、データの復旧を行っている会社は山ほどありました。
データ復旧はかなり高額な費用が掛かります。以前、知り合いの会社で、経理のデータを保存しているハードディスクが故障、復旧に30万ほど支払ったという話を聞いていました。
恐る恐るいくつかの会社の「料金表」を見たら、確かにそれなりにしました。しかし、3万円からとリーズナブルな料金設定の会社も幾つかありました。もしかしたらこの業界でも低価格化が進んでいるのかもしれません。
私は数ある会社の中から東京神田にある「データ復旧研究センター」を選びました。理由は、私のような素人が見てもホームページの内容が非常に分かりやすく、ウエブ申込定額一律3.5万サービスをやっていたから。そして決め手となったのは、電話をしたらスタッフがきちんと対応してくれたからです。電話がなかなか繋がらなかったり、留守番電話だったりする会社には、さすがに怖くて依頼はできませんね。
もう一社いいなと思ったのは、九州福岡にある「データレスキューセンター」です。特に料金がわかりやすく、谷川俊太郎氏をはじめ多くの著名人や企業が実績の評価をしていました。でも九州へ荷物を送るとなると2日ほど掛かります。3日後から国内取材、10日後から海外取材に入るので、今回は東京の会社に依頼することにしました。
すぐに、故障したポータブルSSDをでデータ復旧研究センターに送ります。荷物の中に、抽出できたデータを記録するための空のポータブルSSD(500GB)を入れておきました。
その後、ドキドキしながら連絡を待っていたら、すぐに電話とメールがあり、「全データ、復旧可能です」とのこと。
程なくしてデータの一覧がメールで届きました。それを見たら、確かにすべてのデータが表示されています。銀行から支払いを済ませると、すぐに復旧作業に取りかかってくれました。
翌日、ヤマト便で故障したポータブルSSDと、救出できたデータが入ったポータブルSSDが送られてきました。早速チェックしてみたら、確かに全データが救出できています。拡張子前のファイル名は日本語でしたが、文字化けは一つもありません。3.5万円+税の出費は痛かったのですが、過去10年分の講演会の全データが失われず済んだと思えば安いものです。
バックアップの重要性
いまの時代は、誰もが何かしらのデータを記録媒体に保存しています。しかし大部分の人が、そのデータのバックアップを取っていないのが実情でしょう。仮にコピーしていたとしても、その記録媒体を定期的に動かしている人は少ないと思います。かくゆう私も、倉庫Aと、長野県の仕事場に保存している3.5インチのハードディスクは、もう何年も電源をONにしていません。大丈夫かな……と時々不安になることがあります。
万が一記録媒体が故障したとしても、いまは9割以上の確率でデータを復旧することができるそうです。しかしそれなりの費用が掛かってしまうので、やはり日頃のバックアップや管理は大切です。今回、ポータブルSSDが故障するというハプニングに見舞わ、改めてデータ管理の大切さに気づきました。
【終わり】
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