【連載】写真のひみつ 〜プロの心や技法を解き明かす〜

第一線で活躍する写真家吉村和敏の写真教室です。カメラやレンズの選び方、撮影テーマの見つけ方、風景や人物、料理や小物を撮るときのテクニック、そして、世界を巡る旅や生み出した作品集について、今まで「ひみつ」にしてきたすべてを語ります。

コロナ禍でのカナダの旅 03【帰国・隔離編】

まずは二次元バーコードを取得

 カナダの東と西には5時間の時差あるため、プリンスエドワード島、シャーロットタウン5時45分発の便に乗れば、バンクーバー〜成田直行便に乗り継ぐことが可能となり、翌日には日本に帰国できます。

 前日、帰国のための準備を行いました。

 まずは、幾つかの質問に答え、二次元バーコードを取得することからはじめます。これはカナダのArriveCANのようなもので、日本では、「厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策 質問票回答受付」という実にお堅いネーミングとなっています。

 PCかスマホからこのページにアクセスし、入国者情報(到着日・飛行機名・座席番号・氏名・生年月日)→日本滞在情報(自宅住所)→流行地域滞在情報(私の場合はカナダ)→体調情報(6つの質問と14日の待機場所、空港から自宅までの移動手段)を入力していきます。そして最後にメールアドレスと電話番号を入力し、「回答完了」ボタンを押すと、二次元バーコードが発行されます。

 二次元バーコードは、ブラウザを閉じると消えてしまうので、必ずスクリーンショットを撮って画像ファイルとして保存してください。

二次元バーコードが取得できたら、必ずスクリーンショットを取って保存する。
名前は「ArriveJAPAN」に変更するべきだと思う(笑)

 次はスマホに二つのアプリをインストールします。最も重要になるのがMySOS(iOS版・Android版)です。帰国後に行う14日間の隔離は、このアプリによって管理されるのです。もう一つはおなじみのCOCOA(iOS版・Android版)です。感染者と接触した可能性についての通知を受け取ることができるこのアプリ、すでに多くの日本人のスマホに入っていることでしょう。

 位置情報確認アプリ(OEL)や位置情報の確認アプリもインストールしなければなりませんが、これはどのスマホにもデフォルトで入っているはずです。今のスマホでGoogleマップをはじめとする地図アプリが使えていれば、位置情報アプリのインストールはスルーしても問題ありません。

国内線で移動し、帰国便に乗る

 朝4時、プリンスエドワード島シャーロットタウン空港に到着。エアカナダのカウンターでチェックインを行いました。案の定、地上スタッフは、必要書類の確認から入りました。彼らのパソコンのモニターには、「日本入国にあたっての必要書類」がリストアップされているのです。

 チェックイン時に必要な書類は、パスポートと72時間以内に取得した陰性証明書です。スマホのアプリMySOSとCOCOAに関しては、「ダウンロードしているわよね?」「はい、しました」で終わりました。

朝一の便に乗ると、成田直行便に乗り継ぐことができる。

 AC8329便は定刻通りシャーロットタウン空港を離陸し、トロントへ向け飛び立ちました。トロントでAC105便に乗り換え、約5時間かけてバンクーバー国際空港へ移動。成田直行AC003便に乗り継ぎます。

 バンクーバーの搭乗カウンターでは、再度パスポートと陰性証明書のチェックがありました。書類不備の人は、日本入国が出来ずにカナダに戻されてしまうので、エアカナダ側も慎重になっているのです。

成田行きの機内

 成田直行AC003便は、バンクーバー国際空港を離陸します。乗客は6割くらいでした。日本入国時に必要な書類は陰性証明書のみで意外とシンプルだったな……と安堵していたら、突然機内で何枚もの書類が配られました(笑)

 まずは3枚綴りの誓約書。14日間の待機に素直に従うこと、公共交通機関を利用しないことなど、読むのが嫌になるくらいお堅い文章がダラダラと書かれています。読後、住所と電話番号、サインを書きました。

2枚綴りの誓約書には、14日間の隔離や移動に関することがびっしりと書かれていました。

 今の体調や滞在国に関するA4の質問用紙もありました。これに関してはすでにWEB上で回答しているじゃん、と突っ込みを入れたくなりましたが、日本のお役所は「紙」で処理し、残していくことが好きなんです。

 入国前と入国後に必要なものをリスト化したA4のチェックシートもありました。そう、日本はどこまでも親切丁寧。チェックマークをつけながら、何だか遠足前の荷物チェックを行っているみたいだな、と思わず微笑んでしまいます。

書類やアプリの不備はないかのチェックシート。日本はどこまでも親切。

 約10時間後、AC003便は成田国際空港に着陸します。機内から外に出たら、まずは通路の椅子に全員が座らされました。書類チェックのために回ってきた地上スタッフに、「これからどのくらいの時間がかかりますか?」と尋ねてみます。すると「通常、2〜3時間ですね」

 私は急遽レンタカー会社に電話を入れ、17時からの予約を20時に変更してもらいました。

 その後、乗客たちは、到着ロビーに作られた各ブースを順番に回っていきます。「必要書類チェックブース」「二次元バーコード読取りブース」「アプリ説明ブース」「メールアドレス確認ブース(空メールが受け取れるか)」……。どこでも赤ペンチェックがあり、[証明書あり][済]などのハンコがポンポン押されます。そう、まるで病院の健康診断を受けているような感じでした。

カナダで受けた陰性証明書の日付も、厳しくチェックされる。

 移動の途中、絶妙なタイミングで唾液採取のPCR検査が行われました。つまり各ブース巡りが終わる頃に、結果を受け取れるとうわけです。

 最後、病院の待合室にいるように、みんなで椅子に座って待ちます。すると、
「下四桁○○○○番から○○○○番の方、PCR検査の結果が出たので次へ移動してください」と日本語と英語でアナウンス。

 検査結果をもらい、いつもの入国審査ゲートに辿り着くことができました。パスポートにスタンプを押してもらい、スーツケースを引き上げ、税関を通過し、到着ロビーに辿り着きます。成田到着から3時間が経過していました。

通常、スーツケースを受け取るまでに2.5〜3時間はかかる。

 トヨタレンタカーがクローズする20時ギリギリにレンタカーをピックアップ。高速を走って東京都江東区の自宅に戻ります。レンタル12時間、保険、乗り捨て、ガソリン、ETCを含め、13,975円でした。迎えの車がない人、車を運転できない人は、3万円くらいかけてハイヤーで自宅に戻っているそうです。その他の移動手段は、このサイトで確認してください。

14日間の隔離

 翌日から14日間の隔離がはじまりました。入国者は、スマホにインストールしたアプリMySOSによって管理されます。一日一回、AIからテレビ電話があります。顔を画面の真ん中に入れ、部屋の背景が見える形で30秒間録画し、通話を終えます。もちろん相手はAIなので、会話はありません。

 加えて、一日1〜3回の通知があり、この通知が来たら、即座にアプリを立ち上げて、左下の「現在地報告」をタップします。つまり通知から時間を置くとタップできなくなり、「この人はスマホの近くにいない」とAIに判断されてしまうのです。よって、スマホを家に置いて買い物に行くことすら出来ません。健康状態報告も1日1回行います。

MySOSは、大変よく出来たアプリです。

 2週間、スマホのアプリに管理される生活。だとしたら、スマホを持っていない人はどうなるのかと疑問を抱く人も多いでしょう。スマホは、成田到着と同時に強制レンタルになります。でも何となく、スマホを持っていない人の入国、スマホを使えない人の入国は、想定していないような気がしました。スマホレンタルについてはこのサイトに書かれています。

 14日間の隔離を、10日間に短縮することも出来ます。その場合、厚生労働省が認定する検査機関でPCRか抗原検査を行い、その結果をMySOSアプリを使って送信し、認められると、4日間短縮となるのです。

4日間の隔離緩和申請を行う

 MySOSのアプリにはお知らせ機能があります。9日目に、「待機緩和のための検査のご案内」というお知らせが届きました。

 長期間の自宅待機でストレスを溜めていた私は、待機緩和の申請を行うことにしました。厚生労働省のこのページで検査機関をチェック。可能な限り安く検査を受けられ、尚かつ陰性証明書が発行されるところを探します。

 その中で、羽田空港第二ターミナルB2にある木下グループ新型コロナPCR検査センターを選び、予約しました。

 10日目の朝、自分の車を運転して羽田空港まで足を運びます。もちろん、電車やバスなどの公共交通機関は使えません。

 検査場で、クイック検査(抗原定量検査1,900円)を受けました。30分後、名刺サイズの陰性証明書を取得します。(PCR検査でなく、抗原検査の方で大丈夫です)

 その後自宅に戻り、MySOSアプリの「特別な状況の届出」から、待機緩和のための申請を行いました。写メで撮った「陰性証明書」と「ワクチン接種証明書」を送信。しかし、「あなたは1日早いです」というエラーメッセージが出て先に進むことが出来ません。

 11日目の朝、再びMySOSアプリから申請手続きを行いました。すると難なく二つのファイルが送信でき、1時間後、「待機解除」の通知が届き、晴れて自由の身になることができました!

(終わり)

01【出発準備・出国編はこちら】02【カナダ入国・滞在編はこちら

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